一九六六年一〇月
ブラック・パンサー党
政策と綱領
我々の要求
我々の確信
我々は、自らの運命を自決できないかぎり、黒人は自由になりえないことを確信する。
二 我々は、我らが人民の完全な雇用を要求する。
我々は、連邦政府に、万人に雇用と保証所得を与える義務および責任があることを確信する。[……]
三 我々は、我らが黒人のコミュニティーに対する資本家による 強奪 に終止符を打つことを要求する。
我々は、この 人種差別 的な政府が我々を強奪してきたこと、そして、いま我々は、四〇エーカーとラバ二頭(※)といういまだに清算されぬ負債を要求するにいたったことを確信する。四〇エーカーとラバ二頭は、いまから一〇〇年前、黒人の大量虐殺と奴隷労働の賠償として我々に約束されたものだ。[……]
四 我々は、人間を保護するにふさわしい、 人間らしい 住宅を要求する。
我々は、白人地主が、我らが黒人のコミュニティーに人間らしい住宅を与えないのなら、政府の援助の下に[……]建設されるべきであると確信する。
五 我々は、我らが人民に、この退廃したアメリカ社会の本質を暴露する教育を施すことを要求する。[……]
我々は、教育制度が、我らが人民に、自らについての知識を与えることを確信する。[……]
六 我々は、すべての黒人男性の兵役の免除を要求する。
我々は、我々を保護しない人種差別的な政府を防衛するために、黒人が兵役に服して戦闘を強いられるべきでないと確信する。[……]
七 我々は、警察による残虐行為および黒人の殺害の即時停止を要求する。
我々は、我らが黒人のコミュニティーにおける警察の残虐行為を、[……]黒人自衛団を組織することで停止させられることを確信する。合衆国憲法修正第二条は、武装の権利を認めている。我々は、したがって、すべての黒人が自衛のために武装するべきであると確信する。
八 我々は、連邦政府、州、郡、市の刑務所および拘置所に収容されているすべての黒人男性の解放を要求する。
我々は、すべての黒人が多数の刑務所および拘置所から解放されるべきであることを確信する。公正で公平な裁判を受けていないからだ。
九 我々は、裁判を受けるすべての黒人が、合衆国憲法で規定されているとおりに、同輩集団から選ばれた陪審員か同郷の黒人のコミュニティの人々によって裁かれることを要求する。
我々は、黒人の公正な裁判のために、裁判所は合衆国憲法に従うべきであることを確信する。[……]
一〇 我々は、土地、パン、住宅、教育、衣服、そして正義と平和を要求する。
[……](訳注:以下、基本的人権と革命権を 謳 ったアメリカ独立宣言の前文の引用がつづく。)
訳注
紙面内の写真の男性は、ブルーノ・バルベイが撮影した、党の象徴である黒色のベレー帽と革ジャンとズボンに身を包み、弾帯を肩にかけ、ショットガンを手にして立つ「ブラック・パンサー党防衛大臣、ヒューイ・P・ニュートン」(キャプションより)。なお、党の綱領は、後年、アフリカ系アメリカ人以外にも広がりをもつ内容に改訂されている。