われわれは、もとの根元的なものに向かって分解する。われわれは、上層意識、精神、視覚、言語から出て、暗い、生きた血の、深く、巨大な、動揺する意識の中に向かって溶解する。性の最後の刹那わたしは、高く盛り上血の強力な一つの波にすぎず、それほどっとうち寄せて、今一つの個体の中にある反応する海に溶けこむことを求める。その刹那わたしは個体の血の海になりきっているのだが、その同じ刹那に女もまた個体の血の海であり、わたしの海が高まって女の海と純粋の接触ができれば、そのときわれわれのどちらもが、われわれの一体性と意識との大洋の中で、われわれの完全無欠なより深い無限の世界、われわれの深く充実しきった存在に入るのである。
性の関係においても同様である。そこに生まれる結果は三重である。第一は、純粋な感覚と真実の電気とする。次に、どちらの側でも血の全く新しい状態が生まれる。更に続いて解放が起こる。