序文
第2版に寄せて
『QUEER ZINES』〔初版〕は、2008年のニューヨーク・アート・ブック・フェアでの同名の展示に合わせて、3ヶ月足らずという驚異的な短期間で制作された。間違いを見つけ、完璧なものにする努力はしたが、それでもミスを犯してしまったし、重要なZINEも見落とした。そのあいだにも、この分野は盛り上がっていきーー いたるところにQueer Zineがある 。
第2版は2巻セットになっている。第1巻は初版の再版だが、ミスを修正し、この序文を追加した。場合によっては、初版では不足していた情報を補足し、疑わしいと判明した情報を削除した。
第2巻には3つの章を入れ込んだ。初章では、第1巻の補足として、2008年までのZINEを追加で掲載した。初版では見落としてしまったが、今回は収録できてうれしいかぎりだ。次章では、初版の刊行後に新しく登場してきたZINEを扱い、最終章では、アーティストや発行者からMoMAの司書まで、多様なかたちでQueer Zineに携わっている人々が寄せてくれたショート・エッセイをまとめている。
展示のほうも拡大と更新を遂げていて、2013年9月3日から2014年1月5日までのあいだ、「A・A・ブロンソンの誘惑」プロジェクトの一環として、ロッテルダムのヴィッテ・デ・ヴィット現代美術センターで開催される予定である。
第2版の編集者のレイモンド・チャの献身と緻密な仕事には、とくに感謝したい。ギャリック・ゴット、今回も 刺激的な 装丁を施してくれて、ありがとう。原文の間違いを手厚く直してくれたアレックス・ガルテンフェルト、展示のためにロッテルダムへの搬入ロジを手配してくれたデイヴィット・ヴゥ、そしてなにより、確固たるサポートで支えてくれたマーク・ヤン・クライエンホフ・ファン・デ・ルールとシェリー・フォックス・アーロンズに心から感謝します。
最後に、数多くの出版物と「Queer Zine」というジャンルを編み出し、生み出してくれたすべてのアーティストとライター、とりわけ本書にご寄稿いただいたみなさんに、心から感謝します。
A・A・ブロンソン フィリップ・アーロンズ
2013年8月