ART

ブランクーシの言葉

コンスタンティン・ブランクーシ

岡村皓史訳

Published in 1921|Archived in April 19th, 2024

Image: Constantin Brâncuşi, “The Kiss”, 1907-1908.

CONTENTS

TEXT

EXPLANATORY|SPECIAL NOTE

本稿は、1926年にニューヨークのブラマー画廊で開催されたブランクーシ展(1926年11月17日〜12月15日)の図録に収録されている「PROPOS BY BRANCUSI」の全訳である。

BIBLIOGRAPHY

著者:コンスタンティン・ブランクーシ(1876 - 1957)訳者:岡村皓史
題名:ブランクーシの言葉原題:‘PROPOS BY BRANCUSI’
初出:1926年
出典:“BRANCUSI: Exhibition; November 17 - December 15, 1926”(Brummer Gallery。1926年。5ページ)

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直接の掘り込みは彫刻への真の道だ。だがそれは、歩み方を知らぬ者には最も危険なことでもある。そして、最終的には、直接であれ間接であれ掘り込み自体は無意味であって、完璧なものが重要になるのだ。
 
高研磨は、おおよそ絶対的な特定の 形態 フォーム が、特定の素材に要求する必然ではある。それは、どんなときでも適切というわけではなく、むしろほかの形態にとって実に有害に働くことがある。
 
単純さ シンプリシティ が芸術の目的というわけではない。だが、事物のリアルな感覚に近づいていくと、いつのまにか単純さに到達しているのだ。単純さはそれ自体複雑さを秘めている。その価値を 知悉 ちしつ するためには、その本質から滋養を得なければならない。
 
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遠くを見やること、これで一つのことであり、そこへ行くことはまた別物である。
 
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